Linuxで作曲する理由

パフォーマンスに優れている

AntiX LinuxSparkyLinuxのような軽量なディストリビューションなら、相当に非力なPC、型落ちしたPCでも動作する。重い、あるいは不要と感じた機能は、後からアンインストールできる。デスクトップ環境でさえも。また、バックグラウンドで走るサービス(デーモン)をすぐに止めたり起動できないようにしたりもできる。演奏中に余計なサービスが走っているのは音的に気持ち悪い。

次に、Linux系・Unix系OS向けのFLOSS(自由ソフトウェアかつオープンソース)なDigital Audio Workstation(DAW)には様々ある。そして、慣れが必要だが、ソースコードをクローンし、ビルドし、インストールすれば、すぐにそれらDAWの最新版が利用できる。また、この作業が億劫なら、OpenSUSEビルドサービス)、Arch LinuxAUR)、FedoraAudinux)など活発な音楽コミュニティがあり、それらDAWの最新のパッケージをインストールしやすいディストリビューションを選べばいい。

つまり、PCのリソースを曲作りに全振りできるうえ、様々なDAW等のソフトを試せるのが強み。ただ、日本語化されていないのはデフォなことと、Linuxはデバイスドライバー周りがやや苦手なので、外部機器との接続ではモノを選ぶことがあるのが弱み。

では、Linux系・Unix系OS向けのFLOSSなDAWの具体例を超主観的に見ていく。

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インテルBluetoothが開始されない

Bluetoothが繋がらない

突然、Windows 10 Pro 64ビット 2in1 PCのBluetoothマウスが動作しなくなった。ペアリングしていたBluetoothキーボードを引っ張り出して接続しようとしても、認識されなかった。Windowsの設定からBluetoothとその他のデバイスを見ると、Bluetoothが無効になっている旨のメッセージ。再起動しても治らない。困った。でも、あることをしたら治った。

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Carlaのインストール方法

MusE

Carlaとは

Carlaとは、FLOSS(自由ソフトウェアかつオープンソース)でクロスプラットフォームなオーディオプラグインホスト。我がantiX 19 i386(Debian 10 BusterベースのLinuxディストリビューション)へこれをインストールしてみた。CarlaのLinuxにおける特徴は以下のとおり。

  • LADSPA・DSSI・LV2・VST2・VST3プラグイン形式に対応
  • SF2・SF3・SFZ形式のサウンドフォントに対応
  • 音声ファイル・MIDIファイルプレイヤーを内蔵
  • MIDI CCを介したプラグインパラメーターの自動化
  • OSCを介したリモート制御
  • ラック・パッチベイ処理モードに加え、JACK下におけるシングル・マルチクライアント処理モードを搭載
  • ALSAなどネイティブなオーディオドライバーとJACKに対応
  • LV2プラグインとしてCarlaでロード可能なプラグイン又はサウンドバンクをエクスポート
  • 64ビットOSで32ビットプラグイン、又はLinuxでWindowsプラグインなどプラグインブリッジに対応
  • オーディオプラグインとしてJACKクライアントをホスト
  • JACKトランスポート等によるトランスポート制御や同期

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SFZ形式ファイルの作成方法

SFZ形式ファイルとは

SFZ形式とは、マークアップ言語で記述されたサウンドフォント用のプレーンテキストファイル形式のこと。SFZ形式ファイルとは、その形式で作成されたサウンドフォントファイルのことで、サウンドフォントシンセ等のサウンドフォントプレイヤーに読み込ませて使用する。このファイルを我がantiX 19 i386(Debian 10 BusterベースのLinuxディストリビューション)で作成してみた。ホントならPolyphoneで作成できればいいのだが、このFLOSS(自由ソフトウェアかつオープンソース)なソフトは専らSF2形式向けで、SFZ形式への対応は限定的な模様。

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JUCE製プラグインの導入方法

JUCEとは

JUCEとは、C++言語によるクロスプラットフォームなマルチメディア系アプリケーション向けフレームワークとのこと。しかし、JUCE製プラグインのオープンソースの中には、Linux用Makefileが用意されていないものがしばしばある。例えばSFZeroというSFZ形式のFLOSSなサウンドフォントシンセ、例えばMagical 8bit Plug 2というFLOSSなチップチューン向け8ビットシンセ、等々。これらをLinuxでビルドしようとすれば、自分でLinux用Makefileを用意しなければならない。で、ちょっとやってみた。

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DSSIプラグインの導入方法

DSSIプラグイン倍増計画

現在、Linux系・Unix系OS向けのFLOSS(自由ソフトウェアかつオープンソース)なDigital Audio Workstation(DAW)であるRosegardenを、我がantiX 19 i386(Debian 10 BusterベースのLinuxディストリビューション)で愛用中。だが、RosegardenはLADSPA・DSSIプラグインにのみ対応しており、特にDSSIプラグインがDebian公式パッケージに少ないのが難点。今回は、以下のFLOSSなDSSIプラグインをビルドして導入してみることにした。

  • Ninjas: サンプル対象のWAVファイルを最大8等分できる典型的なスライスサンプラーのVST2・LV2プラグイン
  • SineShaper-DSSI: 典型的なモノシンセのSineShaperというLV2プラグインをLinuxMAOでDSSIプラグインにポートしたもの
  • String-Machine: ARP/Solina String EnsembleをシミュレートしたポリシンセのVST2・LV2プラグインだが、ARP/Solina String Ensembleとは異なり、インストゥルメントとコーラスエフェクトが分離している
  • Zynayumi: PSG音源チップのGeneral Instrument AY-8910とYamaha YM2149をエミュレートしたAyumiというチップチューン向けシンセを、DSSI・VST2プラグインにポートしたもの(ネイティブGUIはない模様)

それぞれビルドしていく。

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MusEの導入方法

MusE

Domino風なMusE

MusE SequencerDomino風なピアノロール編集を主体にしたLinux系・Unix系OS向けのFLOSS(自由ソフトウェアかつオープンソース)なDigital Audio Workstation(DAW)。我がantiX 19 i386(Debian 10 BusterベースのLinuxディストリビューション)では、同様にDomino風でFLOSSなRosegardenと、サブとして同様のQtractorを導入している。これら比較は以下のとおり。

  • Rosegardenが最もDominoに似ていて、次点はQtractor <- MusEもかなり似ているが、日本語表記に対応していないという点で似ていない
  • RosegardenはLADSPA・DSSIプラグインのみに対応し、QtractorはLADSPA・DSSI・LV2・VSTプラグインに対応 <- MusEもLADSPA・DSSI・LV2・VSTプラグインに対応しているが、VSTプラグインのパッチに関してはネイティブGUIの機能に依存し、MusE自身で取り扱うのは苦手
  • RosegardenはALSA・JACK環境に対応、Qtractorは純粋なJACKクライアント <- MusEはALSA・JACK環境に対応

しかし、RosegardenやQtractorと同じくMIDIシーケンサー上がりのDAWであるMusEを仲間外れにするのもなんだし、以上の問題点も最新安定版では解決しているかも知れないし、何なら英語表記でも構わないしで、MusEをビルドしてみることにした。

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Qtractorの導入方法

Domino風なQtractor

QtractorDomino風なピアノロール編集を主体にしたLinux系・Unix系OS向けのFLOSS(自由ソフトウェアかつオープンソース)なDigital Audio Workstation(DAW)。我がantiX 19 i386(Debian 10 BusterベースのLinuxディストリビューション)では、よりDomino風でFLOSSなRosegardenを愛用しているが、サブにQtractorを導入してみた。その特徴は以下のとおり。

  • Dominoと同じくそもそもMIDIシーケンサーである。私みたいなDominoをずっと使ってきた人間にはとっつきやすい。
  • Rosegardenより多機能である。特に、LADSPA・DSSI・LV2・VSTプラグインに対応している点が素晴らしい。
  • Rosegardenほどではないが軽量である。多機能な割には古いPCや非力なPCでもそこそこキビキビ動作する。
  • Rosegardenとは異なり、純粋なJACKクライアントである。JACK環境が整備されていることが前提となる。

ただ、私はトラック内へ個々に独立したクリップを作成していく等の操作感にどうにも馴染めない。だからどうしてもLV2・VSTプラグインを使いたいときだけ、Qtractorで作曲している。なお、主な操作方法は『第234回 マルチトラックシーケンサーQtractorで打ち込みしてみる | gihyo.jp』に詳しい。

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Rosegardenの導入方法

Domino風なRosegarden

RosegardenDomino風なピアノロール編集を主体にしたLinux系・Unix系OS向けのFLOSS(自由ソフトウェアかつオープンソース)なDigital Audio Workstation(DAW)。我がantiX 19 i386(Debian 10 BusterベースのLinuxディストリビューション)で愛用中。その特徴は以下のとおり。

  • Dominoと同じくそもそもMIDIシーケンサーである。私みたいなDominoをずっと使ってきた人間にはとっつきやすい。ただ、WAV形式ファイル等へのエクスポート機能がないため、代わりに例えばAudacityで録音する。
  • 比較的軽量。古いPCや非力なPCでもそこそこキビキビ動作するし、滅多にクリックノイズでプチプチしない。ただ、そのぶん機能は驚くほど少ない。
  • LADSPAやDSSIプラグインを扱える。Linux系・Unix系によくあるALSAやJACKでの外部MIDIとの連携(ルーティング)はややこしいので助かる。
  • FluidSynth-DSSIというSF2形式に対応したサウンドフォントシンセがある。Debian公式パッケージから導入し、FreePatsあたりからオープンなSF2形式のサウンドフォントをダウンロードすれば、音源はだいたい何とかなる。
  • dssi-vstというブリッジを導入すれば、WindowsのVSTプラグインも扱える。ただし、Debian 10 Busterには公式パッケージがないため、私はUbuntuの古い公式パッケージに加え、WineHQをインストールして導入しているが、動けばラッキー程度の動作確率なのでアテにならない。
  • トラックでWAV形式ファイルなどの音声ファイルを直接扱える。ただ、当該ファイルの編集機能がないため、代わりに例えばAudacityで事前に当該ファイルを編集しておく。
  • JACKクライアントとのルーティングは苦手。ALSA MIDIなら問題ない。

DAWはどんどんと進化する傾向にあるが、Debian公式パッケージのRosegardenは最新バージョンではないため、以下のとおりRosegardenの最新安定版をビルドし、Debian公式パッケージからアップグレードした。

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移転作業完了

和塩から新たな無料サーバーへ

Yahoo!ジオシティーズ(和塩)が2019年3月31日でサービスを終了することに伴い、このたび、新たな無料サーバーへ移転した。移転してみて、Yahoo!ジオシティーズより良くなった点をまとめてみる。

  • 容量が増えた。と言っても和塩の無料版で容量にはまったく困らなかったのだが。
  • PHP、.htaccess、mod_rewrite機能、SSL機能、sendmail機能、cron機能等が利用できる。和塩の無料版ではいずれも利用できず困っていた。
  • 無料のサブドメインのAレコードを本サーバーへ割り当てることにより、当該サブドメインを利用できる。和塩ではあり得なかった。
  • 無料サブドメインのMXレコードを本サーバーへ割り当てることにより、当該サブドメインで電子メールのアカウントを作成できる。和塩では(以下略)

いやっほー!!

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